長財布との出会い~マスターの長財布物語

「これあなたにプレゼントよ」

母親からプレゼントされた財布は長財布で
かぶせ蓋の部分はマジックテープで留めるタイプ、
鮮やかな水色が基本で、バーバリーの様な模様が入っていた。

「もう3年生になったんだから自分の財布を持たなきゃね」

今まで買い物といえばほとんどが母親と一緒だったので、
自分でお金を持って買い物に行くことは殆どなかったんだが、
流石に3年生にもなると友達と駄菓子屋に行ったりする事が出てきた。
お金の大切さを知るためにも小遣い制になったのもこの時からだった。

「うんありがとう、大切にするよ」

初めての長財布に入れた金額は今でもハッキリ覚えている、
まだ伊藤博文が描かれた1000円札と、100円玉2枚の1,200円、
長財布を広げてお札を入れる時の感覚は今でも忘れない。

しかし子供ながら長財布を使ってみて一番困ったのが、
長財布を入れておく場所がないことだ、
場所と言っても普段持ち歩くのに入れておくポケットが
子供の頃だと小さすぎるのだ。

また、着る服も毎日変わるわけだし、
外で遊ぶ時は落としてはいけないので、持ち歩かない事が多かった。

しかし買い物に行くには長財布が必要なので、
買い物の時はいつも決まったズボン、
長財布が入るポケットがついたズボンを履くのだった。

決していい出来の長財布ではなかったが、
やはり使い続けていくとそれなりに愛着が湧くもので、
子供ながら乱暴に扱うもそれなりに長持ちしてくれた長財布だった。

特に毎月のお小遣いはもちろんだが、
特にお年玉はお財布の中身が豊富になるので嬉しい瞬間だった。

子供の頃は財布にお金が増えると、
友達に自慢したくなったりするのも子供の頃の心理だろう。

今思い出すと長財布に興味を持ち始めたのも
小学生の高学年の時だったと思う。

母とデパートへ出かけた時も財布売り場で時間を潰していた記憶がある。

その時はまだ、こんな財布があるのかと関心ばかりしていて、
今の長財布を買い換える事は全く考えていなかった。
やはり愛着もあるし、傷が増えてきてもずっと使っていた。

しかし愛着のあるものとの別れは突然にやってくるものなのだろうか、、、、



第二話 意外な自分

第三話 私が悪いの

第四話 もう一度だけ

最終話 回り道の末

特別編 彼女からのプレゼント



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