ルイヴィトンの長財布の本物と偽物を見分ける方法

私が経営するバーではお酒の種類はもちろんだが
コレクションしている皮革長財布も大きくは無いが、
ガラスケースに入れて展示している。

お酒もそれぞれの国や生産地により味が変わってくるが
当然皮革も産地によって様々な表情を見せてくれる。

カクテル目当てで来店するお客様と同じ位、
皮革財布に興味があったり相談に来るお客様も多い。

お酒、特にスコッチウィスキー等は本場で買った物は
日本で買ったそれよりも深い味わいがあるものだ。

財布にも共通点があり、
有名ブランドなどであれば、本物以外に偽物も多く販売されている。
しかしよく出来ているとは言え所詮偽物は偽物、
本物の味わいには到底かなわない。

今夜訪れたお客様は、
普段は夫婦で来店される常連のお客様だが、
今日は奥様が一人で来店された、そんな女性のストーリー。

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「いらっしゃいませ、今日はお一人ですか?」

「いいえ、主人とここで待ち合わせなの、少し早く出てきちゃった。」

「お待ち合わせですか、今日も一杯目はいつもので宜しいでしょうか?」

「ええ、お願いします。」

彼女の1杯目はいつも『カンパリソーダー』と決まっている。
添えるのはスライスライムで、カンパリにソーダーを入れ、
ステアせずに出すのが決まりだ。

一般的なカンパリソーダーは軽く1~2回ステアする。
しかしステアしすぎると炭酸が抜けてしまうので注意が必要なのだが、
彼女の場合は自分でステアし、その時の気分によって炭酸の濃さを調節しているので、
最初からステアしないで出すのが彼女との約束だ。

今日はあまりステアしていないようなので気分が良いのだろう。

「ご主人とのお約束は何時なのですか?」

「21時にと約束しているわ、仕事が少し立て込んでいるみたい。」

21時までまだ1時間半位ある、早く来すぎでは?
と思った瞬間に彼女が話し始めた。

「実はね、主人に内緒でルイヴィトンの長財布を買おうと思っているの。」

なるほど財布に関しての質問の様だ、
それにしても主人に内緒とは、、、

「なるほど、ルイヴィトンの長財布も良いですよね。
でも値段がそれなりにするのでご主人に内緒でも大丈夫ですか?」

「大丈夫よ、男の人ってこういうの疎いでしょ。」

確かに男性はブランドに疎い人が多い、
しかも彼女のご主人はスコッチウィスキーにはめっぽう詳しいが、
ブランド品にはまるで興味が無い人でもある。

「でも流石に値段が高いから、質屋かディスカウントショップで買おうと思っているの、
でも偽物だけは絶対に掴まされたくないから、
ルイヴィトンの長財布の本物と偽物の見分け方を教えて欲しいの。」

本来であればルイヴィトンの直営店で本物を買うのが正しい、
確実に本物である上に、アフターサービスが充実しているからだ、
また、本物を正規の値段で買うからこそ本当の価値が分かるのだが、
少しでも安い正規品を買おうと思う心こそ、
偽物のルイヴィトンが蔓延る原因になってしまっている。

「なるほど、しかし最近はスーパーコピー品など、
本物に近いルイヴィトンの長財布も出ています。
それでも粗はありますが、、、、」

「お願い!ポイントだけでも教えて!」

最近はスーパーコピー品と言われる偽物が増えている。
あくまでも販売業者が言っているだけなので、
実態は分からないが、シリアル番号まで似せていると言う。

「分かりました、しかしあくまでも目安で、
確実に本物と偽物を見分けられるかどうか分かりません。
その点は肝に銘じておいてくださいね。」

「分かりました。それでOKよ」

そうして私はガラスケースの中から、
ルイヴィトンのダミエの長財布を取り出した。
3年前にモルトウィスキーを仕入れにスコットランドに行った際、
ロンドンのルイヴィトンで購入した正規品だ。
当時は円高で何とか手が出る値段だったが、
今の円安では買うのは難しかっただろう。

「ルイヴィトンの本物と偽物を見分ける1番の方法は、
『本物を知る事』です。
本物のルイヴィトンを見た事がなければ、
比較しようがありません、まずはこれをじっくり見てください。」

「へぇ~これが本物か~
見れば見るほど欲しくなってくるわね。」

「では、写真を撮っておいてください、
人の記憶は曖昧なので、いざ長財布を見ても忘れてしまっては意味がありません。」

そうして彼女はアイフォンで写真をとり始めた。

「まず良く見て欲しいのが、ボタン部分です。
凸ボタンは本物はシャープさがあり、偽物は丸い物が多いです。」

「次にファスナープル、ロゴやプルのサイズが違っている場合が多いです。」

「そしてシリアルナンバーもチェックしてください。
最近はシリアルナンバーも刻印された偽物もありますが、
刻印がなければ偽物と思って良いでしょう。」

「最後は縫製です、縫製は製造過程の中でも一番手間がかかるので、
偽物の場合は雑な場合が殆どですが、本物を見ておかないと比較できません。
特に内装などの目に付きにくい部分は雑なのでチェックして下さい。」

そうして彼女はかれこれ20枚程の写真を撮った。

「主にはこんな感じです。
しかしあくまでも目安だと言う事を忘れないで下さい。
確実に本物のルイヴィトンの長財布が欲しいのであれば、
直営店で買うに越した事はありません。」

「ふぅ~、ありがとう、参考になったわ。
でもね、私の友達言わせると、
最近の偽物はパッと見は分からないじゃない、
それなら安く手に入るんだし良いかなって言うのよ。
まあ殆ど見栄なんだけどね。
私も安い値段で買って偽物だったって言うんなら諦めもつくけど、
高い値段で買って偽物だったらショックでしょ。」

心の中ではそれなら正規品を買えば良いのにと思うが、
それでも少しでも安くと思うのでしょう。
そんな心理に偽物の販売業者が付け込んでいるのに・・・

私がルイヴィトンダミエの長財布ガラスケースに入れると
ほぼ同時にご主人が入ってきた。

「おっ、もう来ていたのかい、待ったかな?」

「いいえ、ちょっと前に来たばかりよ。」

彼女は私に少しだけ舌を出してウインクした。
財布の話は内緒と言う事だろう。
夫婦円満な2人だが、改めて女性とは恐ろしいものだ。

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その後彼女が一人で来店する事は無く、
夫婦揃っての来店の為、
ルイヴィトンの長財布を買ったのかどうかは分からない。

しかし3度目の来店の時にご主人がトイレに行っている隙に、
ウインクとピースサインをしてきたので、
きっと良いルイヴィトンの長財布が買えたのだろう。

あの時の笑顔はまさにブランド品を手にした女性の笑顔だった。

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※ 見分け方はあくまでも参考です、確実なものではありません。
  正規品は公式ショップで購入してくだい。

今回参考にさせて頂いたサイトはコチラです。
⇒⇒「そのバッグや財布は本物?」ルイ・ヴィトンの簡単な鑑定方法」
画像付きで紹介しているのでご参考に



第二話 意外な自分

第三話 私が悪いの

第四話 もう一度だけ

最終話 回り道の末

特別編 彼女からのプレゼント



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