バーテンダーを目指したきっかけのカクテル

人が行動をする時、なにかしらのきっかけがある。

ダイエットしたいと思っていても、
なかなか痩せられないが、
何かをきっかけに真剣にダイエットに取り組み
痩せる事が出来たという話は良くある話だ。

私がバーテンダーの仕事をしたいと思ったのは、
やはりすばらしいカクテルに出会えたからだ。

バーテンダーは様々なカクテルを作るが、
それぞれ得意分野がある。

ウィスキーのカクテルが得意、
ウォッカのカクテルが得意だとか
お酒の種類での得意分野も存在する。
殆どがバーテンダーの好きなお酒なのだが。

私が感銘を受けたバーテンダーの得意分野は
「ワインのカクテル」だった。

ワインを使ったカクテルはそれ程多くなく、
珍しいバーテンダーだなと思っていたが、
マスターのオリジナルカクテルを注文してみた。

もちろん普段のメニューには無く、
何度が通っているお客さんにしか出さないと言うカクテルだった。

出されたカクテルは、
色は殆ど黒に近く、シェリーグラスを使い、
なぜだかソーサーに乗せられ、
ソーサーには小さなスプーンが添えられていた。

バーテンダーにスプーンの使い道を聞いたら
「飲めば分かりますよ」と言われ、
とりあえず飲んでみた。

レシピとしては赤ワインとブランデーを1対1で
入れたものだと言う。
味はブランデーの香りとワインのほのかな甘さが
なんとも言えず絶妙だが、アルコール度数も高めで
すぐに飲み干す事は出来ないが、
ゆっくりと飲める、とても美味しいカクテルだった。

しかし一口飲んでもスプーンの使い道が分からない。

不思議に思いながら飲み進めると、
あと少しと言う所で、
グラスのそこから正方形のゼリーが登場した!

なるほど、このスプーンはこのゼリーを最後に
食べる為の物だったのだ。

バーテンダーいわく、
少し濃い目のこのカクテルを飲み、
最後にコーヒーゼリーで口の中を
スッキリさせるためのものだったようだ。

このカクテルの名前は「エファッカ」
フランス語でコーヒーを意味する「cafe」を
最後にコーヒーゼリーを食べる事から、
「cafe」を後ろから読んだと言う事だ。

ワインとブランデーでコーヒーの色合いを近づける、
ソーサーとスプーンでコーヒーの雰囲気を出す、
最後にコーヒーゼリーで口の中をコーヒーに。

ソーサーとスプーンで謎を作り、
最後にサプライズでコーヒーゼリーで謎が解ける。
カクテル一つでここまで考えられるのか?
と感動した事を今での覚えています。

私は未だにレシピにあるカクテルや、
オリジナルと言ってもただお酒を混ぜるだけ、
本当に考え込んだカクテルは出来ていません。

バーテンダーも高齢の為、
残念ながらこのバーはすでに閉店していますが、
いつか彼を超えるバーテンダーになりたいと思っています。



第二話 意外な自分

第三話 私が悪いの

第四話 もう一度だけ

最終話 回り道の末

特別編 彼女からのプレゼント



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